不動産投資を成功させるためには、どのような形態で運用するかが重要です。
個人で所有する方法と法人を設立して運用する方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
特に法人化すると、節税や信用力の向上、融資の受けやすさなど多くのメリットを享受できます。
しかし、法人化にはコストや手続きの手間も発生するため、慎重な判断が必要です。
本記事では、不動産投資における会社設立のメリットや注意点、具体的な節税方法について詳しく解説します。
法人化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
不動産投資で会社設立をする理由とは?

不動産投資を法人化する理由はさまざまですが、主に以下の4つのポイントが挙げられます。
- 節税効果が期待できる
- 融資を受けやすくなる
- 資産管理がしやすくなる
- 相続対策として有効である
これらの理由について詳しく解説していきます。
節税効果が期待できるから
法人化の最大のメリットの一つが税金を抑えられることです。
個人で不動産を所有すると所得税の累進課税が適用されるため、収益が増えるほど税率が高くなります。
しかし、法人にすることで税率が一定になり、高所得者にとっては大幅な節税が可能になります。
具体的な節税のポイントは以下のとおりです。
- 法人税率は一定(所得に応じて変動しない)
- 経費として計上できる範囲が広がる
- 役員報酬を活用して所得分散が可能
- 退職金を活用して税負担を軽減できる
このように、法人化によって税金対策の幅が広がるため、一定の収益が見込める場合は検討する価値があります。
融資を受けやすくなるから
法人化すると金融機関からの融資を受けやすくなるというメリットがあります。
個人の場合、融資額は年収や返済能力に応じて制限されますが、法人の場合は事業としての実績を評価されるため、より大きな融資を受けることが可能です。
法人が融資を受けやすい理由は以下のとおりです。
- 決算書を提出することで事業の安定性をアピールできる
- 法人名義の借入は個人の信用情報に影響しにくい
- 長期的な事業計画を立てやすい
- 複数の物件を所有しやすくなる
特に規模の拡大を考えている投資家にとって、法人化は大きなメリットになります。
資産管理がしやすくなるから
個人で不動産を所有していると、個人の資産と事業用の資産が混在し、管理が煩雑になりがちです。
法人を設立すれば、法人名義で資産を所有できるため、資産管理がスムーズになります。
資産管理のメリットは以下のとおりです。
- 個人資産と法人資産を明確に分けられる
- 法人名義での取引が可能になる
- 税務処理がシンプルになる
- 資産の売却や購入の判断がしやすくなる
法人化すると、資産管理が体系的になり、経営の効率化につながります。
相続対策として有効だから
不動産は相続の際に評価額が高くなりやすく、相続税の負担が大きくなることがあります。
しかし、法人を活用することで相続対策がしやすくなります。
具体的には、以下のような対策が可能です。
- 不動産を法人名義にすることで相続税の評価額を抑えられる
- 株式を活用することで相続の負担を軽減できる
- 家族を役員にすることで所得分散が可能
- 事業承継の計画を立てやすくなる
このように、法人化は相続税対策にも有効な手段となります。

不動産投資における会社設立の主なメリット

ここまで法人化の理由について解説しましたが、ここではさらに具体的なメリットを詳しく見ていきます。
- 所得税の負担を軽減できる
- 経費計上の範囲が広がる
- 金融機関からの融資を受けやすくなる
- 社会的信用が向上する
- 相続税対策がしやすくなる
所得税の負担を軽減できる
個人の所得税は累進課税のため、所得が高くなるほど税率も上がります。
しかし、法人税は一定の税率で計算されるため、一定以上の収益がある場合は法人化することで税負担を抑えられます。
例えば、個人で年間500万円の不動産所得がある場合、最高税率は約30%ですが、法人なら税率が約15%程度に抑えられるケースもあります。
経費計上の範囲が広がる
法人化すると、経費として計上できる範囲が広がります。
例えば、以下のような経費を計上できます。
- 役員報酬(個人の所得税と分散できる)
- 社用車の購入費や維持費
- 出張費や交際費
- 事務所の家賃や光熱費
これにより、課税対象となる利益を抑えられ、結果的に手元に残る資金を増やすことができます。
金融機関からの融資を受けやすくなる
法人化することで、金融機関からの融資を受ける際に有利になるケースが多くなります。
個人での融資は主に年収や勤務先など個人の信用力が評価されますが、法人の場合は会社の財務状況や事業計画が重視されます。
法人が融資を受けやすくなる理由として、以下のポイントが挙げられます。
- 法人名義の借入は事業として評価されるため、事業の安定性があれば大きな融資を受けられる
- 法人の決算書を提出することで、金融機関に経営の透明性をアピールできる
- 法人では不動産を担保に融資を受ける際に有利になる
- 金融機関との取引実績を積むことで、将来的により良い融資条件を得られる
特に、複数の物件を所有して規模を拡大したい場合には、法人化することで融資の選択肢が増え、資金調達の幅が広がります。
社会的信用が向上する
法人を設立することで、社会的信用が向上するというメリットもあります。
個人名義での取引よりも法人名義での契約の方が信頼性が高く、取引先や金融機関との関係も良好になりやすいです。
法人化による社会的信用の向上には、以下のようなポイントがあります。
- 法人名義での契約が可能になり、取引先からの信頼を得やすい
- 法人専用のクレジットカードや銀行口座を持てる
- 不動産管理会社や賃貸仲介会社との取引がスムーズになる
- 長期的なビジネス展開が可能になり、投資計画の柔軟性が増す
特に不動産投資を本業として展開する場合には、法人化することでビジネスとしての信頼性が増し、有利な条件での取引が可能になります。
相続税対策がしやすくなる
法人化することで、相続税対策も容易になります。
不動産は現金や株式と比べて評価額が高くなりやすいため、個人所有の場合、相続時に高額な相続税が発生するリスクがあります。
法人化による相続対策のメリットは以下のとおりです。
- 不動産を法人名義で保有することで、相続時の評価額を抑えられる
- 株式を相続する形になるため、資産分割が容易になる
- 生前に株式を少しずつ譲渡することで、相続税を軽減できる
- 役員報酬や退職金を活用して、相続税対策を行いやすい
このように、法人化することで相続時の税負担を抑えることが可能になります。
特に、不動産を長期的に継承したい場合には、法人化を検討するとよいでしょう。

不動産投資で会社設立をする際の節税効果

法人化することで、さまざまな節税効果を得ることができます。
ここでは、法人化による具体的な節税ポイントについて詳しく解説します。
法人税の方が税率が低いケースがある
個人の所得税は累進課税方式が採用されており、所得が増えるほど税率が上がります。
例えば、個人の最高税率は45%(住民税を含めると約55%)ですが、法人税は一般的に約15%~23%程度に抑えられます。
法人税と個人所得税の違いを比較すると、以下のようになります。
- 個人の所得税:5%~45%(住民税を含めると最大約55%)
- 法人税:15%(年間800万円以下の所得)~23%(800万円超の所得)
そのため、一定以上の所得がある場合は、法人化することで税率を抑えられ、結果的に手元に残る資金が増えます。
役員報酬を活用して所得税を抑えられる
法人化すると、自分自身に「役員報酬」という形で給与を支払うことができます。
これは、法人の経費として計上できるため、法人の課税所得を減らす効果があります。
さらに、役員報酬は個人の所得税として課税されますが、所得を分散することで税負担を抑えられます。
具体的なメリットは以下のとおりです。
- 役員報酬を適正な範囲で設定することで、法人税を軽減できる
- 家族を役員にすることで、所得を分散し、税率を下げられる
- 給与所得控除を活用できる
このように、法人化することで給与として所得を受け取り、個人所得税を最適化することができます。
退職金制度を利用できる
法人では、役員退職金を支給することができ、これを活用することで大幅な節税が可能です。
退職金は通常、分離課税となり、税率が低く抑えられます。
退職金制度を活用するメリットは以下のとおりです。
- 退職所得控除が適用されるため、税負担を抑えられる
- 長期的な資産形成が可能になる
- 将来の老後資金として活用できる
- 法人の経費として計上できるため、法人税の節税につながる
退職金制度を適切に活用すれば、税金を抑えながら効率的に資産を形成することが可能です。
家族を役員にして給与を支払える
法人では、家族を役員として登用し、給与を支払うことで所得を分散することが可能になります。
これにより、一人当たりの課税所得を抑え、全体の税負担を軽減することができます。
家族を役員にするメリットは以下のとおりです。
- 給与として支払うことで、法人の経費として計上できる
- 所得分散が可能になり、高税率を回避できる
- 家族の社会保険加入が可能になる
- 将来的な事業承継をスムーズに進められる
特に、家族経営で不動産投資を行う場合には、法人化による所得分散が大きな節税メリットをもたらします。
経費として計上できる範囲が広がる
法人化すると、個人で不動産投資を行う場合よりも経費として計上できる範囲が大幅に広がります。
これは、法人が事業として不動産を運営するため、より多くの支出を経費として認められるためです。
法人で計上できる主な経費は以下のとおりです。
- 役員報酬:法人の利益から経費として支払うことができる
- 社用車の購入・維持費:法人名義で購入すれば、減価償却費やガソリン代を経費にできる
- 出張費:物件の視察や契約のための交通費や宿泊費を経費にできる
- 事務所の家賃:自宅を法人名義で借りれば、家賃の一部を経費として計上可能
- 通信費:インターネット回線や電話料金なども経費にできる
- 接待交際費:不動産業者や金融機関との打ち合わせで発生する食事代などが対象
個人では認められにくい費用でも、法人なら経費として計上できるため、課税対象となる所得を抑えることができます。

不動産投資で会社設立をすると信用向上につながる理由

法人化することで、社会的信用が向上し、不動産投資をよりスムーズに進めることができます。
ここでは、法人化が信用向上につながる理由について詳しく解説します。
法人名義での取引が可能になる
法人を設立すると、不動産の売買契約や賃貸借契約を法人名義で行うことが可能になります。
これにより、取引先や金融機関からの信用が向上し、より良い条件での契約が可能になります。
法人名義で取引するメリットは以下のとおりです。
- 個人名義よりもビジネスとしての信頼性が高まる
- 不動産管理会社や賃貸業者との契約がスムーズになる
- 法人として契約することで、長期的な資産運用がしやすくなる
特に、法人契約を好む企業や金融機関と取引をする場合には、大きなメリットとなります。
金融機関からの融資審査が有利になる
法人を設立すると、金融機関の融資審査が有利になることがあります。
これは、法人が事業として収益を生むことを前提としているため、経営の安定性が評価されるからです。
融資審査において法人が有利になるポイントは以下のとおりです。
- 法人の財務状況を開示することで、経営の健全性をアピールできる
- 個人名義の融資よりも高額な融資を受けやすい
- 法人名義の借入は、個人の信用情報に影響しにくい
特に、長期的に不動産投資を拡大したい場合には、法人化による信用力向上は非常に有効です。
取引先との信頼関係を構築しやすい
法人として活動することで、不動産会社や金融機関との信頼関係を築きやすくなります。
個人では交渉が難しい条件でも、法人として取引することで有利に進められることがあります。
法人が信頼される理由として、以下の点が挙げられます。
- 決算書を提出することで、財務状況の透明性を示せる
- 長期的な事業計画を立てやすく、安定性が高いと評価される
- 法人契約を優遇する取引先と関係を構築しやすい
不動産投資を拡大する際には、取引先との信頼関係が非常に重要になるため、法人化は大きなメリットとなります。
長期的な資産形成に適している
法人化することで、長期的に資産を形成しやすくなります。
法人は事業を継続しやすく、世代を超えて資産を管理できるため、安定した運用が可能になります。
長期的な資産形成のメリットは以下のとおりです。
- 法人の存続期間が無期限であるため、資産を長期間維持できる
- 法人名義での資産管理により、相続時の負担を軽減できる
- 法人の利益を再投資しやすく、資産を増やしやすい
特に、不動産を世代を超えて引き継ぎたい場合には、法人化が有効な選択肢となります。

まとめ|不動産投資で会社設立をするメリットと注意点

不動産投資を法人化することで、以下のような多くのメリットを得ることができます。
- 節税効果:法人税の方が低い場合があり、所得分散や退職金制度を活用できる
- 融資の受けやすさ:金融機関からの評価が上がり、高額な融資が受けられる
- 資産管理の効率化:法人名義での管理が可能になり、経営の透明性が向上する
- 相続税対策:法人を活用することで相続税の負担を軽減できる
- 社会的信用の向上:法人としての信頼性が上がり、取引先との関係がスムーズになる
しかし、法人化には設立・運営コストがかかることや会計・税務管理の手間が増えるデメリットもあります。
そのため、不動産投資の規模や目的に応じて慎重に判断することが重要です。
法人化を検討する際は、税理士や専門家に相談しながら進めることで、最大限のメリットを享受しながらリスクを回避することができます。
適切なタイミングで法人化を行い、不動産投資を成功に導きましょう。

